今から押さえておこう、家づくりの「2025年問題」

毎年のように出てくる20〇〇問題のせわしなさ

おそらく世紀末に騒がれた「2000年問題」からでしょうか、なんだか毎年のように湧いてくる「20〇〇問題」。建設・住宅業界において、今年「2024年問題」は大きなトピックになっています。

2024年問題とは。働き方改革の流れで出てきている「時間外労働の上限規制」のことです。労働者不足が以前から深刻な建設業界において、いきなりの規制は危ないとしばらく延期措置が図られていましたが、いよいよ20244月からこの規制がスタートするという問題です。

これまで月―土、週休1日が当たり前だった、日本全国のゼネコン、工務店、職人さんの働き方が変わったらどうなるか。1日あたりの人件費は高くなり、建物が出来上がるまでの期間が長くなるため、工事費は高騰していくことになります。すでに円安相場、グローバルなインフレで資材コスト高が続いている中で、確かになかなか大変な「問題」なんです。

 

2025年問題もあります

実は、すでに「2025年問題」もあるんです。今、家づくりを考えていらっしゃる方には、関係してくる可能性が少なからずありますので、今のうちに知っておいて損はないかと思います。

2025年、何が起きるのか、それは「建築基準法」と「建築物省エネ法」の法改正の影響でして、家をつくるための基準が厳しくなる予定です。

ここでは、なるべく簡単に2点に絞って説明します。

 

 その1:住宅の新築・リフォームの確認申請の厳格化 

1つ目は、これまで建物全般の中では比較的規模が小さい住宅については手続きを一部簡略化して良いよという考え方がありましたが、2025年4月からは構造や省エネ関係の書類もちゃんと提出するように決まりが変わります。特にリフォームにおいては、これまで確認申請が不要だったものが必要になってくる範囲が広がりますので要注意です。

  

その2:省エネ性能確保の義務化 

2つ目も大きな変化です。省エネ基準の指標として「断熱等級」というものがありますが、20223月まで最高等級だった等級4が実質、最低等級になり、20254 月以降は、それ未満の住宅は建築することができなくなります。

ネガティブな捉え方をすると、1つ目で、必要な種類が増えることで、その書類作成と手続きにかかる手間と時間が増えることから、コストアップします。2つ目も、義務化される省エネ基準を達成するため、断熱材や窓の性能や量によってカバーする必要が出てきますので、こちらもコストアップ要因になります。

 

2025年問題をポジティブに捉えよう

家をつくるのに益々お金がかかる傾向は、非常に困った話、まさに大問題ではありますが、ここではマインドチェンジをすることが大事だと考えます。

もし皆さんが、もし今だったら多少コストが安く建てられますとなった場合を考えてみてください。なぜなら、来年4月になったら必要になる書類を今なら揃えなくても済むから、最低ラインの断熱性能より低い仕様でもOKだから、というのが理由です。 

そうなんです。2025年の変化というのは、将来的にも良い家をつくるために目指すべき最低限のレベルがかさ上げされる変更です。だったら、たった今つくる場合でも、来年以降につくる場合でも、なるべくそのレベルは達成しておこう、より分かりやすい目標が設定されるんだと考えた方がポジティブな気持ちになれるのではないでしょうか。

 

世の中の変化を先取りする感覚

構造性能面の基準が法改正で大きく変わったのが1981年です。それ以前の建物を「旧耐震」以降を「新耐震」と呼ぶこと、ご存知の方も多いかと思います。旧耐震の建物だと融資がおりにくいといった話もあります。当時は手続きもルーズで、図面等の書類整備も不十分なことも多く、このいつ建ったかが数少ない指標として、ひとり歩きしている点も否めません。

まだ40年そこそこしか経っていない時代の話です。現代の技術であれば、建物の寿命はどんどん長くなっていますが、一方で社会の変化に追いつけないことで寿命を終える、建替えに至る事例が今後は増えてくるはずです。

おそらく今回取り上げた2025年も1つの転換期になってくるだろうと考えます。この時期に建てた家が、さらに50年後の2075年時点で、どこまでの価値を残せているのだろうか、子どもや、孫が、その時にも住みたいと思ってくれるのだろうか、毎年毎年の「20〇〇問題」をきっかけに、ぐっと先の未来の話もイメージしてみてはいかがでしょうか。 

「NENGOの家」 https://nengonoie.nengo.jp/  PHOTO: AKIRA NAKAMURA